米が値上がりしている。
とても暑い夏に、こういう状況は暑くるしい。
インバウンド需要により、在庫がひっ迫しているだとか…
少々需要が高まったからと言って、米が無くなるわけではない。
「無くなるのでは??」という心理がこのような状況を作っている。
ともかく、庶民は米の値段が上がるのは勘弁してほしいところだ。
米と言えば、忘れもしない出来事があった。
昔、大阪の淀川区に住んでいたころのことだ。
家の近くに「藤井米穀店」というお米屋さんがあった。
ここにはじめてお米を買いに行ったとき、HPにも出ている3代目の藤井博章さんという方が、小さなノートを持って近付いてきた。
このご主人が言われたのは、
毎日毎日、幾通りもの米の組み合わせを行って、どの比率がどういう味になるのか記録している。ウチはこのデータをもとに販売している。ウチのコメは抜群に旨い!
と言って、そのノートにびっしり書かれている組み合わせデータをチラと見せてくれた。
何という企業努力!人知れず毎日こんな努力をしているなんて…ぐうたらの私には真似できない。
30代の私が、この時初めて知ったことは「ブレンド」という定義。
コシヒカリ、アキタコマチなどなど、コメの品種はたくさんあるが、その味の違いで米を買って食べていた。しかし、ここはブレンド米…なんだ、ブレンド?
聞きなれた「ブレンド」は、コーヒーだ。
キリマンジャロ、モカ、グァテマラなどなど、種類が多くあり、それらに味の違いがあることは誰もが知ることである。コレは米も一緒。余ったり粗悪な豆をごちゃ混ぜにして売ってるのかな?と、そのような根拠のない間違った定義を持っていた。
もう一つ例を出すと香水。
私は以前、アロマテラピーブレンドデザイナーという資格を取った(現在はもう捨てた)。
このときに勉強したのは、香りの素材は組み合すことで別の香りになること。
いろんな香水や香りは、ブレンドから生まれるのである。
さて元に戻ると、米のブレンド。
これも同じ話で、単一の素材よりも、組み合わせ次第で更に旨い別の米へと昇格する。
確かにブレンド凄し。
余談だが、ブレンドの本質を知って以降、私はコーヒーは基本、ブレンドしか飲まない。
ブレンドには、比率を考えた人の努力が詰まっている。
私は大阪を離れ、この藤井米穀店から米を買うことがなくなったが、米の話題でこの店を思い出した。関西圏の方は、是非とも食べてみてほしい。
ここのご主人から学んだことがもう一つある。
ブレンド米がいくつか並んでいて、なぜか価格に差がある。
私 「この値段の差は何ですか?」
主人「あ~それ。。コシヒカリの割合が多いと高くなるw」
……。(@_@;)
どれも旨いなら安いほうが良いはずなのに、あえてコシヒカリの割合に差をつけて価格に差をつけた販売戦略。
ウムム…人の良さも垣間見える…
私も、この無作為な戦術を身に着けたいものだ。
あ、ぐうたらだから、その土俵には上がれないかも(-_-;)