クサい損

昼過ぎの炎天下、住宅街の横断歩道の横に軽自動車が斜めに停車している。
ん?
その横をゆっくり通過しようとしたところ、車の根元に人が倒れていて、若い女性がその横で携帯を手に電話している。
ん-っ!

「事故だ!」

私は20メートルほど先に車を寄せ、駆け寄った。
「救急車は呼びましたかっ?」
「はい、いま電話しました」

仰向けに倒れているのは60~70代短髪の男性で、買い物用の手押し車だと思われるものが一緒に倒れている。

ここは住宅街にあるスーパーから出たところの横断歩道で、渡った先には古い市営か県営の団地が並んでいる。
男性はスーパーで買い物をした後、団地にある自宅へ戻る最中だったと容易に想像できた。
実は私もこのスーパーに来ていた。横の花屋さんで自宅用の榊(さかき)を買って、スーパーの駐車場を出たそのときだったので、周囲が良く見えた。

倒れている男性には強い夏の日差しが全身に降り注いでいて、ピクリとも動かない。

『暑いだろうな。。。』

真横に新しく建て替え中の団地の工事現場があり、赤い旗を握ったガードマンが出てきて近寄った。その横には配達中の郵便局員がバイクから降りて立っている。
そこに私が駆け寄って、現場には電話している女性と外野3人と倒れた男性の5名。

印象的だったのは、その横を何台もの車が徐行しながら覗き込みながら通過していく。

『まあ、そうなるかな。。。』

さすがに車と接触したと思われる人を動かすのはまずいかもしれないと思って、近くでよく見てみた。すると、どこにも流血した様子はない。そして、何やら酒臭い。。。

おや?

そのとき男性は「むにゃむにゃ」言い出した。

なんだかよくわからない言葉でむにゃむにゃ言っている。
まるで酔っぱらいが、酔いつぶれて言ってる感じ。。。

あれ?

これは事故なのか?
女性は、酔ってひっくり返ってる爺さんに駆け寄っただけなのかも?

咄嗟に、「あ、意識はありますね」と言って、私はその場を離れた。

今回の真実はわからないけど、客観的に酒を飲んでいるように思われてしまうことで損をするということが他にもあると思う。
はじめて仕事で会う人が酒臭かったら、距離は遠ざかる。
「酒臭い」というのが印象が悪い(-_-;)

他はどうかな。。。
・ニンニク臭い
・汗臭い
・とにかく臭い

ウムム…臭いのはあまり良さそうではない。。。